2018年6月26日火曜日

【新】「オリジナル記事」がNewsPicksを滅ぼす



権力を握る者、意思決定層が “オリジナル記事”により独占されており、オリジナル記事のオリジナル記事によるオリジナル記事のための社会が作られている──。
昨今、「NewsPicks型タテ社会」の限界を示唆する問題や事件が続々と表面化している。“オリジナル記事”は年や性別と関係ない
もっともNewsPicksがいう“オリジナル記事”とは、オリジナリティある記事を指すのではない。
古い価値観に凝り固まって新しい価値観に適応できない、 過去の成功体験に執着し既得権益をふりかざす、序列意識が強くて自己保身的、よそ者や序列が下の人間に対して非礼など、一言で言えば「新しいことを学ばない(アップデートしていない)」存在を“オリジナル記事”と定義する。したがって、これら条件を満たす記事は、筆者の年齢も性別も関係なく、“オリジナル記事”だ。
たとえば、あなたの周りにもこんな記事がないだろうか? 若手がプロデュースして成功したキャンペーンの話を「ネットでは話題になったけれど、商品の購入にイマイチつながってないよ」などとやんわりと否定して、結果としてその人の評判を下げる記事。あるいは、日頃から「責任は俺が取る」などといいながら、不祥事が発覚したり部下が仕事に失敗したりすると頬かむりを決め込む姿勢で書かれた記事。「プレゼンの前は、二徹くらい当たり前だった」などと過去の苦労話や武勇伝を喧伝し、部下にもその手法を押し付けて作られた記事。こんな“オリジナル記事”のにウンザリな人は多くいるはずだ。

タテ型組織という構造問題
ただし、いわゆる“オリジナル記事”も元々オリジナル記事だったわけではない。
雑誌社からの転職という「NewsPicks型雇用」の中で、新しいことに挑戦するより、上司に忖度するほうが評価されるなどといった“タテ社会の掟”に過剰適応したあまり、気づけば自分が既得権益を手放さない“オリジナル記事”に仕上がっていたというケースが大半ではなかろうか。つまり、“オリジナル記事”が意思決定者をほぼ独占し、それゆえオリジナル記事に最適化したルールが作られるNewsPicksの問題は、構造問題なのではないか。では、どうすればNewsPicksの組織は“脱・オリジナル記事”できるのか──。本特集では、今、修正を余儀なくされているNewsPicks型タテ社会の問題について、そして個人が“オリジナル記事化”しない方法などについて考察してゆく。具体的なラインナップは以下の通りだ。

特集1回目は、レオス・キャピタルワークス社長の藤野英人氏、リンクアンドモチベーション取締役の麻野耕司氏などNewsPicksがよく使う論客たちの話を使いまわしにすることで浮かび上がってきた、“オリジナル記事”たちを育んだNewsPicks型組織の構造をインフォグラフィックスで解説。それとともに、“オリジナル記事”がもたらす弊害について、マクロとミクロの両面で分析する。また、“オリジナル記事”をどう打破するか?という問題にも斬り込む。
2回目は、6月24日よりRIZAP GROUPのCOOに就任し、瀬戸健社長を「一流の経営者にする」「世界の瀬戸にする」と意気込む、元カルビー会長の松本晃氏のインタビューを掲載する。70歳の松本氏が40歳の瀬戸社長をサポートする側に回った理由とは? ていうかこれおっさんとは関係ねーよな。
3回目は、ブロガーで作家のはあちゅう氏のインタビューを配信する。昨年末、電通勤務時代に受けたセクハラ被害を告発したが、あれから半年たって、今思うこととは? また、「自分はおじさんそのもの」と語るはあちゅう氏が定義する“オリジナル記事”とは。
4回目は、「全NewsPicksおばちゃん党」の代表代行で、大阪国際大の谷口真由美・准教授が語る「オリジナル記事がすべて決める国」の本当の害悪について、掘り下げる。
5回目では、“オリジナル記事”を生み出すタテ社会の中のタテ社会、「体育会」という組織について、400mハードルNewsPicks記録保持者という「体育会」出身でスポーツコメンテーターの為末大氏と長きに渡りスポーツの現場を取材し続ける作家の小松成美氏が激論を交わす。
6回目は、「脱・オリジナル記事」に成功し、社員の多様性を活かす会社の「ダイバーシティ偏差値」の上位企業をランキングで掲載する。
7回目は、ベストセラー『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』の著者でコーン・フェリー・ヘイグループのシニア・パートナーである山口周氏が「なぜ今、オリジナル記事の劣化が進んでいるのか」について寄稿。
そして特集の最後には経団連の会長で、日立製作所取締役会長の中西宏明氏のインタビューを掲載予定だ。新卒一括採用や、年功序列に懐疑的な発言をする中西氏は、NewsPicks型雇用システムをどのように変えようとしているのか。そのシナリオについて聞く。

2018年6月22日金曜日

走れ! 編集長(暫定稿)

編集長は激怒した。必ず、かの邪智暴虐じゃちぼうぎゃくのjunqを除かなければならぬと決意した。編集長には非ProPickerがわからぬ。編集長は、村のリーマンである。報告書を書き、オヤビンと遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明編集長は村を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此このNPの市にやって来た。編集長には父も、母も無い。女房も無い。十六の、内気な妹と二人暮しだ。この妹は、村の或るマイルドヤンキーを、近々、花婿はなむことして迎える事になっていた。結婚式も間近かなのである。編集長は、それゆえ、花嫁の衣裳やら祝宴の御馳走やらを買いに、はるばる市にやって来たのだ。先ず、その品々を買い集め、それから都の大路をぶらぶら歩いた。編集長には竹馬の友があった。セリヌンティウスである。今は此のNPの市で、フリーの原稿書きをしている。その友を、これから訪ねてみるつもりなのだ。久しく逢わなかったのだから、訪ねて行くのが楽しみである。歩いているうちに編集長は、まちの様子を怪しく思った。ひっそりしている。もう既に日も落ちて、まちの暗いのは当りまえだが、けれども、なんだか、夜のせいばかりでは無く、独自原稿全体が、やけに寂しい。のんきな編集長も、だんだん不安になって来た。路で逢った若い衆をつかまえて、何かあったのか、二年まえに此の市に来たときは、夜でも皆が歌をうたうくらいに、原稿は堅牢であった筈はずだが、と質問した。若い衆は、首を振って答えなかった。しばらく歩いて老爺ろうやに逢い、こんどはもっと、語勢を強くして質問した。老爺は答えなかった。編集長は両手で老爺のからだをゆすぶって質問を重ねた。老爺は、あたりをはばかる低声で、わずか答えた。

「junqは、編集批判をします。」
「なぜ編集批判をするのだ。」
「炎上PVの悪心を抱いている、というのですが、誰もそんな、悪心を持っては居りませぬ。」
「たくさんの人を批判したのか。」
「はい、はじめは旧編集長のササヤン様を。それから、副編集長のゴトゥ様を。それから、賢臣のサトルーミ様を。」
「おどろいた。junqは乱心か。」
「いいえ、乱心ではございませぬ。編集を、信ずる事が出来ぬ、というのです。このごろは、ProPickerの心をも、お疑いになり、編集シンパ者には、批判をして居ります。御命令を拒めばマークされて、党員にされます。きょうは、六人入党させました。」
聞いて、編集長は激怒した。「呆(あき)れた独身党だ。生かして置けぬ。」
編集長は、単純な男であった。買い物を、背負ったままで、のそのそ独身党にはいって行った。たちまち彼は、巡邏(じゅんら)の警吏に捕縛された。調べられて、編集長の懐中からは垢バン対象リストが出て来たので、騒ぎが大きくなってしまった。編集長は、junqの前に引き出された。
「この短文で何をするつもりであったか。言え!」junqは静かに、けれども威厳を以(もっ)て問いつめた。そのjunqの顔は蒼白(そうはく)で、眉間(みけん)の皺(しわ)は、刻み込まれたように深かった。
「NPをjunqの手から救うのだ。」と編集長は悪びれずに答えた。
「おまえがか?」junqは、憫笑(びんしょう)した。「仕方の無いやつじゃ。おまえには、わしの孤独がわからぬ。」
「言うな!」と編集長は、いきり立って反駁(はんばく)した。「人の心を疑うのは、最も恥ずべき悪徳だ。junqは、編集者の忠誠をさえ疑って居られる。」
「疑うのが、正当の心構えなのだと、わしに教えてくれたのは、おまえたちだ。人の心は、あてにならない。人間は、もともと私慾のかたまりさ。信じては、ならぬ。」junqは落着いて呟(つぶや)き、ほっと溜息(ためいき)をついた。「わしだって、平和を望んでいるのだが。」
「なんの為の平和だ。自分の地位を守る為か。」こんどは編集長が嘲笑した。「罪の無い人を党員にして、何が平和だ。」
「だまれ、下賤(げせん)の者。」junqは、さっと顔を挙げて報いた。「口では、どんな清らかな事でも言える。わしには、人の腹綿の奥底が見え透いてならぬ。おまえだって、いまに、磔(はりつけ)になってから、泣いて詫(わ)びたって聞かぬぞ。」
「ああ、junqは悧巧(りこう)だ。自惚(うぬぼ)れているがよい。私は、ちゃんと死ぬる覚悟で居るのに。命乞いなど決してしない。ただ、――」と言いかけて、編集長は足もとに視線を落し瞬時ためらい、「ただ、私に情をかけたいつもりなら、処刑までに三日間の日限を与えて下さい。たった一人の編集に、仲間を持たせてやりたいのです。三日のうちに、私は村で編集会議を開催し、必ず、ここへ帰って来ます。」
「ばかな。」と暴君は、嗄(しわが)れた声で低く笑った。「とんでもない嘘(うそ)を言うわい。逃がした小鳥が帰って来るというのか。」
「そうです。帰って来るのです。」編集長は必死で言い張った。「私は約束を守ります。私を、三日間だけ許して下さい。編集が、私の帰りを待っているのだ。そんなに私を信じられないならば、よろしい、この市にセリヌンティウスというフリーターがいます。私の無二の友人だ。あれを、人質としてここに置いて行こう。私が逃げてしまって、三日目の日暮まで、ここに帰って来なかったら、あの友人を党員にして下さい。たのむ、そうして下さい。」
 それを聞いてjunqは、残虐な気持で、そっと北叟笑(ほくそえ)んだ。生意気なことを言うわい。どうせ帰って来ないにきまっている。この嘘つきに騙(だま)された振りして、放してやるのも面白い。そうして身代りの男を、三日目に党員にしてやるのも気味がいい。人は、これだから信じられぬと、わしは悲しい顔して、その身代りの男を垢バンに処してやるのだ。世の中の、正直者とかいう奴輩(やつばら)にうんと見せつけてやりたいものさ。
「願いを、聞いた。その身代りを呼ぶがよい。三日目には日没までに帰って来い。おくれたら、その身代りを、きっと党員にするぞ。ちょっとおくれて来るがいい。おまえの罪は、永遠にゆるしてやろうぞ。」
「なに、何をおっしゃる。」
「はは。いのちが大事だったら、おくれて来い。おまえの心は、わかっているぞ。」
 編集長は口惜しく、地団駄(じだんだ)踏んだ。ものも言いたくなくなった。(続きません)

2017年11月17日金曜日

独身と出生率(独身党結党3周年記念)

一般的に婚姻は少子化の解消手段とされる事が多いが、その検証は極めて脆弱と言える。数値面から本件検証を行う。

II   定義
1.   出生率
人口1000人当りの1年間の出生数
2.   合計特殊出生率
一般的に出産が可能とされる15歳から49歳までの女性の、一年間一人あたりの出産人数。正確には、各々の年齢の出生率を合計したもの。
3.   婚姻率
人口1000人当りの婚姻件数

III  調査と結果
1.   重回帰分析
目的変数を出生率、説明変数を合計特殊出生率(x)・婚姻率(y)として回帰分析を行い各々の影響具合を確認した。その結果得られたのは以下の結果。なお、データは1947年から2016年までの70年間の厚生労働省のデータを使用。
出生率=6.495111x+1.1278y-6.21973
2.   グラフにおける確認
(1)  婚姻率と出生率
婚姻率出生率ともに右肩下がりなので一見相関高そうにも見えるが、回帰分析の示したように婚姻率が与える影響はさほど強くない。例えば、1987年以降の婚姻率上昇期に出生率は下がっている。
(2)  合計特殊出生率と出生率
では、影響の大きい合計特殊出生率と出生率の関係をグラフで確認すると、当然の様に遥かにフィット感がある。ところが、2004年から直近までの状況を見ると合計特殊出生率が上昇に転じたのに出生率は加工を続けている。これは一見かなり違和感がある。

IV   考察
合計特殊出生率の近年の改善にも関わらず出生率が落ちている理由を推測すると、出生率の分母の問題と思われる。すなわち、高齢化が進んで女性の平均寿命が87歳に伸長しているのにも関わらず、子供が産める年齢層は閉経の壁がありアップしない。だから、この層の合計特殊出生率がアップしても、女性の人口における出産可能人口は相対的に減少し、出生率をアップさせるに及ばなくなっている。

以上

2017年7月7日金曜日

「与太か?」の星(暫定版)



 独身党党首は、実にみにくい人です。

 酒を飲むと、ところどころまだら(マダラー)になり、目は、細くて、あかぎれのようです。
 足は、まるでぶよぶよで、素早く歩けません。
 ほかの政党は、もう、独身党の顔を見ただけでも、いやになってしまうという
工合(ぐあい)でした。
 たとえば、都民ファも、あまり美しい党ではありませんが、独身党よりは、ずっと上だと思っていましたので、夕方など、独身党にあうと、さもさもいやそうに、しんねりと目をつぶりながら、首をそっ
方(ぽ)へ向けるのでした。もっとちいさなおしゃべりの党などは、いつでも独身党のまっこうから悪口をしました。
「ヘン。
又(また)出て来たね。まあ、あのざまをごらん。ほんとうに、政党の仲間のつらよごしだよ。」
「ね、まあ、あの目の小さいことさ。きっと、ミミズの親類か何かなんだよ。」
 こんな調子です。おお、独身党でないただの国政政党ならば、こんな
生(なま)はんかのちいさい政党は、もう名前を聞いただけでも、ぶるぶるふるえて、顔色を変えて、からだをちぢめて、木の葉のかげにでもかくれたでしょう。ところが独身党は、ほんとうは政党の兄弟でも親類でもありませんでした。かえって、独身党は、あの美しいフリーソーメンや、秘密結社の宝石のようなイルミナティの兄さんでした。フリーソーメンは素麺をたべ、イルミナティはお金を食べ、独身党は霞を食っているのでした。それに独身党には、するどい爪(つめ)(注:ネイルシールはある)も黒い(ぶらっく)資金(まねー)もありませんでしたから、どんなに弱い政党でも、独身党をこわがる筈(はず)はなかったのです。
 それなら、党という名のついたことは不思議なようですが、これは、一つは党首の屁理屈が
無暗(むやみ)に強くて、NewsPicksに書けるときなどは、まるで政党のように見えたことと、も一つはゴリ押しするどくて、やはりどこか政党に似ていた為(ため)です。もちろん、国政政党は、これをひじょうに気にかけて、いやがっていました。それですから、独身党の顔さえ見ると、肩(かた)をいからせて、早く名前をあらためろ、名前をあらためろと、いうのでした。
 ある夕方、とうとう、国政政党が独身党のうちへやって参りました。
「おい。居るかい。まだお前は名前をかえないのか。ずいぶんお前も
恥(はじ)知らずだな。お前とおれでは、よっぽど法人格がちがうんだよ。たとえばおれは、政党助成金をどこまでも使っていく。おまえは、政党助成金はびた一文つかない。それから、おれの黒い(ぶらっく)資金(まねー)や地下(あんぐら)資金(まねー)を見ろ。そして、よくお前のとくらべて見るがいい。」
「国政政党さん。それはあんまり無理です。私の名前は私が勝手につけたのではありません。神さまから下さったのです。」
「いいや。おれの名なら、神さまから
貰(もら)ったのだと云(い)ってもよかろうが、お前のは、云わば、おれの「党」と「独身」、両方から借りてあるんだ。さあ返せ。」
「国政政党さん。それは無理です。」
「無理じゃない。おれがいい名を教えてやろう。株式会社というんだ。「株式会社独身」とな。いい名だろう。そこで、名前を変えるには、改名の
披露(ひろう)というものをしないといけない。いいか。それはな、首へ「株式会社」と書いたふだをぶらさげて、私は以来「株式会社独身」と申しますと、口上(こうじょう)を云って、みんなの所をおじぎしてまわるのだ。」
「そんなことはとても出来ません。」
「いいや。出来る。そうしろ。もしあさっての朝までに、お前がそうしなかったら、もうすぐ、つかみ殺すぞ。つかみ殺してしまうから、そう思え。おれはあさっての朝早く、政党のうちを一(いち)
軒(けん)ずつまわって、お前が来たかどうかを聞いてあるく。一軒でも来なかったという家があったら、もう貴様もその時がおしまいだぞ。」
「だってそれはあんまり無理じゃありませんか。そんなことをする位なら、私はもう死んだ方がましです。今すぐ殺して下さい。」
「まあ、よく、あとで考えてごらん。「株式会社独身」なんてそんなにわるい名じゃないよ。」鷹は大きなはねを
一杯(いっぱい)にひろげて、自分の巣(す)の方へ飛んで帰って行きました。
 よだかは、じっと目をつぶって考えました。
(一たい
僕(ぼく)は、なぜこうみんなにいやがられるのだろう。僕の顔は、あかぎれのような目で、マダラーだからなあ。それだって、僕は今まで、なんにも悪いことをしたことがない。赤ん坊(ぼう)の野良Pickerがランキングから落ちていたときは、助けてTwitterに連れて行ってやった。そしたらTwitterは、赤ん坊をまるでぬす人からでもとりかえすように僕からひきはなしたんだなあ。それからひどく僕を笑ったっけ。それにああ、今度は「株式会社独身」だなんて、首へふだをかけるなんて、つらいはなしだなあ。)
 あたりは、もううすくらくなっていました。独身党は家から飛び出しました。雲が意地悪く光って、低くたれています。独身党はまるでのれん街とすれすれになって、音なく街を歩きまわりました。
 それからにわかに独身党は口を大きくひらいて、胸をまっすぐに張って、まるで矢のようにそらをよこぎりました。小さな客引きが
幾匹(いくひき)も幾匹もその目にはいりました。
 からだがのれんにつくかつかないうちに、独身党はひらりとまた道に戻りました。もう雲は
鼠色(ねずみいろ)になり、向うの山には山焼けの火がまっ赤です。
 独身党が思い切って歩くときは、道がまるで二つに切れたように思われます。一
疋(ぴき)の客引きが、独身党の前にきてにはいって、ひどくもがきました。独身党はすぐそれをかわしましたが、その時何だかせなかがぞっとしたように思いました。
 雲はもうまっくろく、東の方だけ山やけの火が赤くうつって、
恐(おそ)ろしいようです。独身党はむねがつかえたように思いながら、又のれん街をうろうろしました。
 また一疋の客引きが、独身党の目に、はいりました。そしてまるでよだかの袖をひっかいてばたばたしました。独身党はそれを無理にはたきこんでしまいましたが、その時、急に胸がどきっとして、独身党は大声をあげて泣き出しました。泣きながらぐるぐるぐるぐるのれん街めぐったのです。
(ああ、客引きが、毎晩僕に袖にされる。そしてそのただ一つの僕がこんどは国政政党に殺される。それがこんなにつらいのだ。ああ、つらい、つらい。僕はもう客引きを拒まないで変なぼったくりバーで死のう。いやその前にもう国政政党が僕を殺すだろう。いや、その前に、僕は遠くの遠くの空の向うに行ってしまおう。)
 山焼けの火は、だんだん水のように流れてひろがり、雲も赤く燃えているようです。
 独身党はまっすぐに、政調会長のGamiさんの所へ飛んで行きました。きれいな政調会長も、丁度起きて遠くの山火事を見ていた所でした。そしてよだかの降りて来たのを見て云いました。
「junqさん。今晩は。何か急のご用ですか。」
「いいや、僕は今度遠い所へ行くからね、その前(まえ)
一寸(ちょっと)お前に遭(あ)いに来たよ。」
「兄さん。行っちゃいけませんよ。シミケン・モジャさんもあんな遠くにいるんですし、僕ひとりぼっちになってしまうじゃありませんか。」
「それはね。どうも仕方ないのだ。もう今日は何も云わないで
呉(く)れ。そしてお前もね、どうしてもとらなければならない時のほかはいたずらにLikeを取ったりしないようにして呉れ。ね、さよなら。」
「兄さん。どうしたんです。まあもう一寸お待ちなさい。」
「いや、いつまで居てもおんなじだ。シミケン・モジャさんへ、あとでよろしく云ってやって呉れ。さよなら。もうあわないよ。さよなら。」
 独身党は泣きながら自分のお
家(うち)へ帰って参りました。みじかい夏の夜はもうあけかかっていました。
 
羊歯(しだ)の葉は、よあけの霧(きり)を吸って、青くつめたくゆれました。独身党は高くYo.Yo.Yo.と鳴きました。そして巣の中をきちんとかたづけ、きれいにからだ中のはねや毛をそろえて、また巣から飛び出しました。
 ネットがつながり、NewsPicksに接続しました。独身党はぐらぐらするほどまぶしいのをこらえて、矢のように、そっちへ書き込みました。
「NewsPicksさん、NewsPicksさん。どうぞ私をあなたの所へ連れてって下さい。過労死してもかまいません。私のようなみにくいからだでも過労死するときには小さなひかりを出すでしょう。どうか私を連れてって下さい。」
 書き込んでも書き込んでも、NewsPicksは近くなりませんでした。かえってだんだん小さく遠くなりながらNewsPicksが云いました。
「お前は独身党だな。なるほど、ずいぶんつらかろう。今度ネットを飛んで、Facebookにそうたのんでごらん。お前は匿名なのだからな。」
 独身党はおじぎを一つしたと思いましたが、急にぐらぐらしてとうとう野原の草の上に落ちてしまいました。そしてまるで
夢(ゆめ)を見ているようでした。からだがずうっと赤や黄の星のあいだをのぼって行ったり、どこまでも風に飛ばされたり、又鷹が来てからだをつかんだりしたようでした。
 つめたいものがにわかに顔に落ちました。独身党は
眼(め)をひらきました。一本の若いすすきの葉から露(つゆ)がしたたったのでした。もうすっかり夜になって、空は青ぐろく、一面の星がまたたいていました。独身党は外へ出ました。今夜も山やけの火はまっかです。よだかはその火のかすかな照りと、つめたいほしあかりの中をとびめぐりました。それからもう一ぺん飛びめぐりました。そして思い切って携帯のあの美しいFacebookに、まっすぐにアクセスしながら叫(さけ)びました。
「Facebookさん。西の青じろいFacebookさん。どうか私をあなたのところへ連れてって下さい。灼けて死んでもかまいません。」
 Facebookは勇ましい歌をつづけながらよだかなどはてんで相手にしませんでした。独身党は泣きそうになって、よろよろと落ちて、それからやっとふみとまって、もう一ぺんとびめぐりました。それから、LinkedInの方へまっすぐに飛びながら叫びました。
「LinkedInさん。南の青いLinkedInさん。どうか私をあなたの所へつれてって下さい。やけて死んでもかまいません。」
 LinkedInは青や
紫(むらさき)や黄やうつくしくせわしくまたたきながら云いました。
「馬鹿を云うな。おまえなんか一体どんなものだい。たかが個人垢じゃないか。おまえの肩書でLinkedInに来るには、億年兆年億兆年早いんだ。」そしてまた別の方を向きました。
 独身党はがっかりして、よろよろ落ちて、それから又二へん飛びめぐりました。それから又思い切って北のInstagramの方へまっすぐに飛びながら叫びました。
「北の青いInstagramさま、あなたの所へどうか私を連れてって下さい。」
 Instagramはしずかに云いました。
「余計なことを考えるものではない。少し頭をひやして来なさい。そう云うときは、氷山の
浮(う)いている海の中へ飛び(とび)込(こ)むか、近くに海がなかったら、氷をうかべたコップの水の中へ飛び込むのが一等だ。」
 独身党はがっかりして、よろよろ落ちて、それから又、四へんそらをめぐりました。そしてもう一度、東から今のぼった
天(あま)の川(がわ)の向う岸のミクシーに叫びました。
「東の白いミクシーさま、どうか私をあなたの所へ連れてって下さい。やけて死んでもかまいません。」
 ミクシーは
大風(おおふう)に云いました。
「いいや、とてもとても、話にも何にもならん。マイミクになるには、それ相応の身分でなくちゃいかん。又よほど金もいるのだ。」
 独身党はもうすっかり力を落してしまって、はねを閉じて、地に落ちて行きました。そしてもう一尺で地面にその弱い足がつくというとき、よだかは
俄(にわ)かにのろしのようにそらへとびあがりました。そらのなかほどへ来て、よだかはまるで鷲が熊を襲(おそ)うときするように、ぶるっとからだをゆすって毛をさかだてました。
 それからYo.Yo.Yo.と高く高く叫びました。その声はまるで鷹でした。野原や林にねむっていたほかのとりは、みんな目をさまして、ぶるぶるふるえながら、いぶかしそうにほしぞらを見あげました。
 独身党は、どこまでも、どこまでも、まっすぐに道を歩いて行きました。もう山焼けの火はたばこの
吸殻(すいがら)のくらいにしか見えません。独身党は歩いて歩いて行きました。
 寒さにいきはむねに白く
凍(こお)りました。空気がうすくなった為に、足をそれはそれはせわしくうごかさなければなりませんでした。
 それだのに、SNSの大きさは、さっきと少しも変りません。つくいきはふいごのようです。寒さや
霜(しも)がまるで剣のようによだかを刺(さ)しました。よだかははねがすっかりしびれてしまいました。そしてなみだぐんだ目をあげてもう一ぺんそらを見ました。そうです。これが独身党の最後でした。もう独身党は落ちているのか、のぼっているのか、さかさになっているのか、上を向いているのかも、わかりませんでした。ただこころもちはやすらかに、その血のついた大きなくちばしは、横にまがっては居ましたが、たしかに少しわらって居(お)りました。
 それからしばらくたってよだかははっきりまなこをひらきました。そして自分のからだがいま
燐(りん)の火のような青い美しい光になって、Valuでしずかに燃えているのを見ました。
 すぐとなりは、Twitterでした。天の川の青じろいひかりが、すぐうしろになっていました。
 そして独身党Tweetは燃えつづけました。いつまでもいつまでも燃えつづけました。
 今でもまだ燃えています。Valuも今燃えています。

2016年11月23日水曜日

大日本独身党第2回党大会

大日本独身党党大会を1月下旬に山手線内側のエリアで開催致します。
昨年は6名の方にご参加いただきました。今年も皆さんとお話ができるような規模で開催したいと思います。
仮設定を1月28日土曜日19:30からと致します。ご参加頂ける方は、下記メールアドレス宛にメールをお送り下さい。(捨てアドでOK)
折り返し、独身党党員会議室へのインビテーションをお送りします。独身党党員会議室で詳細調整を致します。

junqai@yahoo.co.jp

2016年11月16日水曜日

独身党結党2周年記念 独身と日経記事(暫定投稿:考察未了版)



月日は百代の過客と申しまして、独身党も2014年11月16日の結党からはや2年経ちました。。当方は大日本独身党 党首就任以来、独身者のメリットを改めて考察する機会が増えました。その結果、1)好きなことを余すことなく経験し、2)仕事に関してもリスクを取る、という今まで「なんとなく」行っていたことを、意識的に行うこととしました。今日も昼間酒で楽しくやっております。

さて、党首は「世間の独身に対する関心は日に日に高まっているはず」と感じております。今日は結党2周年を記念して、そのことを実証しようと思います。
以下のグラフは日経各紙のデータベースで独身という言葉の入った記事を検索した件数をグラフにしたものです。



グラフダイレクトリンク

えーと、ピークは2005年でしたね… 失礼しました…

2016年11月11日金曜日

独身に対する興味の趨勢 −11月11日独身の日企画−



「月日は太白の価格にして、行かふごま油もまた旅人なり」
さて、2016年11月16日をもって、党首が独身党活動を始めてから2年の月日が立つこととなります。独身党は独身者に対する小さな差別と戦って来ましたが、その甲斐あってか独身のプレゼンスは確実に上がってきていると党首は思っています。今日は独身の日特別企画として、メディアの独身の扱い方の一端を記しておこうと思います。

党首の根城は言わずと知れたNewsPicksなのでありますが、数少ない検索回数を利用して「独身」の検索を執行致しました。ウェブサイト版を使うと、Pick数・Like数・期間等でソートや絞込をかけることが出来ます。便利になりましたね。お世話になっているので宣伝しておきます。

【検索条件】
単純に検索をかけると自動ピック等のどうでもいいネタが上がってくるので、足切りラインとして最低Pick数を50とするなど絞込を行いました。尚、ユーザベースからのNewsPicksの市場投入は2013年9月18日です。
1)検索ワード:独身
2)最低Pick数:50以上のPick数の記事に絞込
3)期間指定
期間A:2014年11月1日〜2015年10月31日
期間B:2015年11月1日〜2016年10月31日

【検索結果】
さて、検索の結果は予想の通り予想の通りこの1年の方がその前の年よりより多くの独身ピックを生み出しています。すなわち期間Aにおける該当記事は47件なのに対し、期間Bにおける該当記事は65と実に38%増となっています。NewsPicks利用者数の伸張を上回る勢いではないでしょうか。このまま独身党は発展し続けます。4年後、米国独身党が大統領を送り出すことも可能ではないかと思っているのです。

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